ファシリテーション

営業マンが持っておきたいスキルにファシリテーションがあります。

「ファシリテーター=司会・進行役」というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、実は、
ファシリテーションにはそれにとどまらない重要な役割があるのです。

今回は、そんなファシリテーションの意味や手法、知られざる重要性、実践テクニック(コツ)についてご紹介します!

ファシリテーションの意味とは?

まずは、基礎となるファシリテーションの意味をおさえておきましょう。

一般的にファシリテーションとは、会議などで、発言や参加を促したり、内容を整理して認識を確認したりと、参加者や議論の進行に働きかけて、合意形成や相互理解をサポートすることを指します。

ファシリテーションが広がった背景
我が国の特性として、企業の方向性などを含めた重要な事項は会議で決定していきます。この動き野中で、会議運営に関する課題もありました。活発な意見がでないこと、長時間の会議など。こうした会議における課題解決がファシリテーションの概念で払拭されることを受け、多くの企業で概念を取り込み社内での会議運営を変え始めています。

ファシリテーターとリーダーの違い

混同されるリーダーとの違いについて解説します。 リーダーの役割は組織やチームの責任者であり物事の最終決定を行う権限を保有しています。この権限のもと組織やチームという集団を率いています。これに対してファシリテーターとは、集団(会議への参加メンバーなど)の意見をまとめて、集団が満足のいく結果を導き出し率いていく、と考えることができます。リーダーとファシリテーターとの違いは、リーダーが中心となるのに対して、集団で一つの方向に向っていくかの違いとなります。

ファシリテーションに必要なスキルとは

ファシリテーションに必要なスキルには4つあると言われています。次に必要とされる4つのスキルについて解説していきます。4つのスキルにより会議運営がスムーズになると理解しておくとよいでしょう。

空間のデザイン力

空間のデザイン力とは会議室など、会議を行う場所(空間)を会議に適した環境にすることを示しています。具体的には会議室の手配などです。現在では、空間のデザイン力を会議の前準備と広くとらえ会議資料を事前に集め会議前に配布しておくなど会議運営のために前準備を指すこともあります。また、会議のアジェンダを作り会議の目的や会議のタイムテーブルなどを参加者に伝えることも含まれるようになっています。

対人関係スキル

対人関係スキルとはコミュニケーション能力のことです。有益な会議となるように発言者ヲ指名したり、発言しやすい雰囲気作りも、この対人関係スキルに含みます。議論が白熱した際にも冷静を保ち建設的な発言がされる様に誘導することも必要です。また、目標となる結果を導くためには、発言の訂正なども求める必要があるなど、常に冷静な対応が求めらるながらも相手の意図を組み対応していく力量が求められます。

構造化のスキル

構造化スキルとは、会議中に発生した議論の内容を整理し共有をしていくことです。最終的な論点をシンプルに整理する能力のことです。発信された内容を議事録として残す役割ではなく結論に至った経緯と結論を整理するという意味と理解しておきましょう。

合意形成スキル

合意形成スキルとはコンセンサスとも言われ、決定したことに対する同意を得るスキルです。その後、実行に移すための整理と確認を行うことを含む場合もあります。

また、ファシリテーションスキルを発揮する人は「ファシリテーター」と呼ばれています。

ファシリテーションの知られざる「重要な役割」
ファシリテーターの役割は、プログラムの段取りや進行を円滑に進めるだけではありません。

ファシリテーターの存在が重要となる理由は、参加者の意識やお互いの関係性など「内面的なプロセス」に目を向け、サポートすることにあります。

「コンテント」とは、話している議題や取り組んでいる作業のこと。それに対し、「プロセス」とは、チームの雰囲気やメンバーの意識、お互いの関係性などのことです。

実は、会議などのチーム活動の良し悪しは、この水面下にあって目に見えない「プロセス」が左右していることがほとんどなのです。

というのも、よくある会議では、話している内容(コンテント)が着目されるため、「メンバーが自主的に参加しているか」「どのように意思決定されているか?」といった水面下のプロセスはあまり意識されません。

その結果、感情論が原因で議論が難航したり、声の大きい人が無自覚に意思決定してしまうことで、メンバーの参加意欲が削がれたり、論点がすり替わって「今、何をテーマに話しているんだっけ?」と議論が迷走したりといった問題が引き起こされてしまうのです。

だからこそ、スムーズな話し合いの場づくりのためには、「今、メンバーの関わりのなかで起こっていること」という水面下のプロセスに目を向けることが不可欠なのです。

会議をより有意義に!ファシリテーションの「3つのコツ」
続いて、ファシリテーションを実践するうえでのテクニックにも繋がる3つのコツをご紹介します。

会議にファシリテーターを置く際には、ぜひ次のポイントを意識してみてください。

コツ①水面下のプロセスをよく「観察」する
1つ目のコツは、水面下のプロセスをよく観察すること。ファシリテーターには、その場の「観察力」が必要不可欠です。

例えば、会議に沈黙の時間が生まれたとき、その沈黙が「参加者が集中できていない」と観るか、「じっと内省している」と観るかで、その後の関わり方は大きく変わります。

意思決定のあり方や傾聴できているか、本音で語れているかなど、その場のプロセスをじっくり観察するよう心がけましょう。

ファシリテーター以外には見えにくいプロセスの問題を明らかにし解決に導くには、「振り返り」の時間を設けることが有効です。「ここまでの話し合いはあなたにとってどんな時間でしたか?」「いま、心の中で何が起こっていますか?」と一旦メンテナンスする時間を入れることで、よりよい議論の場づくりにつながります。

コツ②事柄よりも「メンバー・チーム」にフォーカスする
2つめのコツは、メンバーやチームにフォーカスすること。

ファシリテーターは、議題となっている問題やその解決手段といった事柄ではなく、「問題に対するメンバーの向き合い方」に目を向けます。

ファシリテーションはあくまで「”チームメンバー”が問題解決・目標達成できること」を目的としているのであって、自分自身(ファシリテーター)が問題解決を目指すわけではないことに注意しましょう。

議論の進行を担っているとしても、答えは自分が持っているのではなく、チームメンバーのなかにあると考えるのが大事なポイントです。

コツ③ファシリテーターは当事者ではなく「第三者」に委託する
3つめのコツは、コツ①と②をふまえ、ファシリテーターを「第三者」に委託することです。

 

 

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