ジャーナリング

なんとなく心や頭がモヤモヤしてやる気が出ないとき、どのように解消していますか? 甘いものを心ゆくまで食べたり、
カラオケでストレス発散したりするのもいいですが、ノートとペンを使った「ジャーナリング」を試してみるのはいかがでしょう。
「一定時間、頭に浮かぶことを紙に向かってひたすら書くだけ」というジャーナリングの方法と効果について、筆者の体験談を交えながら詳しくご紹介します。

ジャーナリングが心身にもたらす効果

紙にひたすら文字を書くだけで、本当に心のモヤモヤが解消されるのか、疑問に思う人もいるでしょう。その効果は、研究によって確かめられています。テキサス大学の社会心理学者、ジェームズ・ペネベイカー教授の調査が、ジャーナリングによってさまざまな心理学的指数やストレス指数が改善することを証明したのです。

その研究では、失業者を対象に、毎日20分間のジャーナリングを5日間連続で実践させ、その後8ヶ月間追跡調査を行ないました。すると、同じような失業者でジャーナリングをしなかった人たちに比べて、ジャーナリングをした人たちは、8ヶ月後の就職率が40%も高かったのです。ジャーナリングをした失業者は、大きなストレスや悩みで頭の中がモヤモヤしがちな就職活動を乗り切り、見事に就職することができたというわけです。

また、ペネベイカー教授は別の実験も行なっています。被験者を2つのグループに分け、一方には感情的に大きな影響を受けた出来事を書かせ、もう一方には日常的なこと(通りを行き交う車のことなど、感情とは関係ないこと)を書かせました。これを20分ずつ3日間続けた結果、感情的に大きな影響を受けたことを書いたグループは、日常的なことを書いたグループに比べて、心身の健康が大幅に向上したのだそう。実験の数ヶ月後でも、血圧の低下、免疫機能アップ、通院回数の減少、幸福感の高まりが続いたといいます。

このように、自分の心の内を紙にひたすら書いて自分の深層に向き合うことで、心身ともによい効果が得られるのです。

 

ジャーナリングの方法

では、ジャーナリングの実践方法をご説明しましょう。

■ジャーナリングの実践ポイント

・あるテーマについて決められた時間ずっと書き続ける
・頭で考えずに手を動かす
・気をそらせるものがないプライベートな空間で行う
・脚色しないで事実や気持ちをあるがままに書く
・誤字や脱字を気にしない
自分がいま置かれている状況=この瞬間に起きていることに深く向き合い、マインドフルネスの効果を高める。

ジャーナリングを実践するにあたっては、就寝前の5分間など短時間でいいので、「この時間は書くことだけに集中する」と決めてください。
毎日か、忙しければ1週間に一度など、習慣化すると効果が上がりますよ。パソコンではメールなどで気が散ってしまうので、手書きで行なうようにしましょう。

「なぜ不安なのか?」
「なぜプロジェクトがうまくいかないのか?」
「ミスを減らすにはどうすればよいか?」
「どうすればお互い嫌な思いをせずに済んだのか?」
「今自分は何を望んでいるのか?」
このように、課題となっていることについて自分に問いかけ、思い浮かんだことをそのままひたすら書いていきましょう。

書いているうちに、額を冷やした時のように頭がすっきりと軽くなるのを感じました。書く内容もだんだん前向きなものになっていき、なかなかやる気が出なかったことにも、書きながら「頑張ろう!」と思えました。5分間書くだけでこんなにも変化があるのかと驚きです。単純に気持ちがいいので、継続してやっていきたいと思います。みなさんにもぜひ一度、効果を実感していただきたいです。
書くだけで心のモヤモヤがすっきりと晴れ、前向きになれるジャーナリング。簡単な方法で効果が得られるので、気分が落ち込んだ時などにぜひ実践してみてください。

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